夏バテを感じる人は、特に女性に多く、約7割の女性が「夏バテを感じている」と回答しています。
主な症状は「体がだるい」「やる気が出ない」「眠気が取れない」などが多く挙がりました。
なかでも「食欲不振(胃の不調)」に関しては男性の64.2%、女性の74.2%と高く、続いて「下痢や便秘(腸の不調)」に関しても男性74.2%、女性84.2%と多くの人が胃腸の不調に悩まされていることが伺えます。
そもそも、なぜ「夏バテ」は起こるのでしょうか?
多くの人が原因として挙げているのが屋外はカンカン照り、屋内は冷房でキンキンに冷えていることによる温度差が堪えると回答しています。
特に、働く女性では「オフィスの冷房の設置温度」を理由に挙げる人が目立ちました。
短い時間内で起こる急激な寒暖差に体温を調整する自律神経の働きに負担がかかり、自律神経が疲弊することや過度な冷えが胃腸にWパンチとなり、食欲不振や下痢・便秘などのトラブルに繋がります。
自律神経は腸と密接な関係があるため、夏を迎える前に腸内環境を整えておくことをおすすめします。
腸内環境は20歳を過ぎると悪玉菌優位になり、40歳を過ぎると一気に善玉菌が減少してしまいます。
この時期気になる食中毒も腸内環境が良い人は軽傷で済むことが報告されていますので、今の時期から意識して損はありません。
そこで今日から心がけたいのが「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」です。
プロバイオティクスとは、腸内環境にとって有益な菌を取り入れること。
ヨーグルトにはビフィズス菌が、漬物やキムチ、味噌や鰹節といった発酵食品には多くの乳酸菌が含まれています。
どのタイプの菌が自分の腸にマッチするかは試してみなければわかりませんので、多様な菌を摂取してみましょう。
菌の生死は気にしなくて大丈夫です。
食事を通じて良い菌を取り入れたら、次は「プレバイオティクス」といって善玉菌を育む食生活を心がけましょう。
納豆やアボガド、枝豆などから食物繊維を摂り、オリゴ糖を飲みものや食事に加えることがポイントです。
大前提として便をしっかり出すためには食事をしっかり食べて便を固形にし、腸を刺激して排便を促すことが大切です。
腸内細菌のごはんは“糖質”ですから、炭水化物抜きダイエットなどはおすすめできません。
+α 土用の丑の日にはぜひ鰻を食べて猛暑に備えてください。
どのような夏バテ対策をするかの調査では「水分補給をまめにする」「睡眠を十分にとる」は多く挙がりましたが、「スタミナのつく食事をする」と答えた人は20%にととどまっています。
こまめな水分摂取ももちろん大切ですが、夏バテで搬送された場合、病院での対処は点滴やビタミン剤の投与です。
汗で多くのミネラルを失っても耐えられるよう、また、照りつける日差しに体力が底を尽きないよう、うなぎなどの良質たんぱく質からビタミン・ミネラル・たんぱく質を十分に含んだ食事をすることも重要なポイントです。
うなぎは体力維持に欠かせない必須脂肪酸や“元気の素”となるビタミンB群を豊富に含んでいます。
欠点としては、ビタミンCと食物繊維が全く含まれていないこと。そのため、野菜やきのこ類と一緒に食べるのがおすすめです。
冷たくて喉越しのいい素麺や冷やしうどんなどで済ませてしまいがちな夏の食事ですが、汗や体力(エネルギー)チャージを意識し、ビタミン・ミネラル・たんぱく質を意識して元気に過ごしましょう。
そして、エアコンの設定温度は体温調節に負担がかかるのを軽減する「外気温マイナス3〜4℃」を目安にすることをおすすめします。