冷えは日々の食事と関係しています
女性のお悩みと定番ともいえる冷え性ですが、そもそもの原因はなんでしょうか。
ひとつに断定することは難しいのですが、冷えの度合いはBMIと相関することがわかっています。
BMIが下がるほど(つまり痩せるほど)冷えの度合いが強くなりますが、これは、体温を生み出すのは筋肉の役割であり、生み出された体温を保温する役割が体脂肪にあるためと考えられます。
さらに、寝ている間に1℃下がってしまう体温を高めるには、朝ごはんが重要です。朝ごはんを食べる朝方生活の人は、体温を高める重要な因子であるDIT※が高いことが確認されています。
欠食をしてしまうと寝起きの活動量で一時的に体温を高めることができても、お昼を迎える前に指先が冷たくなってしまいます。
※DIT:食事を分解する際に生じる食事誘導性熱算出
また、冷え性に悩まれている女性の食事調査を行ったところ、冷え性の人は摂取エネルギーと基礎代謝が低いうえに、糖質や脂質をエネルギーに変えるために必要なビタミンB1、ビタミンB2を不足させていました。
さらに、筋肉のもととなるたんぱく質や細胞がエネルギーを生み出すために必要な酸素を運ぶ鉄分が不足していることがわかりました。
魚と薬味で冷え知らず!?
では、冷え性予防にはどういった食材がいいのでしょうか。
冷えに魚というイメージがない人も多いと思いますが、魚には筋肉の源となるたんぱく質と、骨格筋を増やす働きのあるビタミンDが豊富に含まれています。
また、血流改善効果のあるオメガ3のDHA、EPAも豊富に含んでいますので、冷えの原因のひとつである血液循環の改善には最適です。
魚の種類によりますが、エネルギー代謝に必要なビタミンB1、B2が含まれているのも嬉しいポイント。
調理するときは、ねぎ、にんにく、しょうがなどを薬味として加えると、さらなる保温効果を期待できます。
食事にプラスαで、冷えに強いからだづくりを。
冷え性予防には、食事以外にも効果的な方法があります。
それは、〈運動〉と〈入浴〉です。
適度な運動は、体温を生み出して代謝を高める筋肉量の維持に必要不可欠です冷え性の人はそうでない人と比べて筋肉量が少ない傾向にあります。
さらに、体を温めてくれる入浴ですが、冷え性予防におすすめの特別な入浴方法があります。
それは、ヒートショックプロテイン入浴です。ヒートショックプロテイン(HSP) とは、ストレス老化によって傷んだ細胞を修復してくれるたんぱく質のことをいいます。
HSPが増えると、細胞が活性化し、体内全体の血行が良くなります。HSPが分泌されるように、42℃のお風呂で10分、41℃で15分、40℃で20分を目安に体を温めましょう。
活動しやすく、栄養価の高い食材が旬を迎える秋のうちに冷え対策を始め、カイロや湯たんぽで<熱を与えねばならないからだ>を卒業し、<自ら熱を生み出せるからだ>を手に入れましょう。